グローバル化する薬剤師の業界

陸上競技場
『薬剤師の世界もグローバル化してるの??』

(1)閉じた世界での限定資格職だった薬剤師だが…

日本で薬剤師の職に就こうと思ったら、まず大学薬学部に合格してそこで6年間学び、
卒業資格を得ると、薬剤師国家試験を受験してこれに合格し薬剤師免許を取得しなければなりません。

そして、これは今まで、ずっと「日本限定で使用できる」資格免許でした。

海外の国々の薬剤師のライセンス基準やシステムはそれぞれ違うため、
日本の薬剤師免許はあくまでもドメスティックなライセンスであり、
もし海外で薬剤師になろうと思ったら、その国の大学に留学し、その国で薬剤師の資格試験を受験し、
それに合格したらその国で薬剤師として働く、というパターンが普通でした。

つまり、どこの国においても薬剤師という資格職のライセンスはその国限定のローカル免許だったわけです。

ところが、近年これが崩れつつあります。

世界レベルで「医療に携わる人材のグローバル化」が切に叫ばれているからです。
その声に呼応して、たとえばヨーロッパにおいては、EU圏内の医師や看護師、薬剤師などの
医療に携わる人材流通を自由化する方向に動いていますし、
大学における欧州各国の薬学教育カリキュラムの均一化に取り組み始めています。

日本を取り巻くアジアも例外ではなく、日本と東南アジア諸国連合加盟国(ASEAN)とで足並みを揃え、
医師免許をはじめとする医療資格や、薬剤師免許などの国境を超えた資格の共通化
医療機器の企画の統合などの改変に、昨年2015年から本格的に取り組み始めています。

これによって、日本で取得した薬剤師の資格免許が、そのまま海外諸国で使用できるということになって、
薬剤師の活躍の場は世界に広がっていきます。
逆に、海外の薬剤師もどんどん日本の医療現場や薬局などで活躍するといった機会も増えてくる時代になります。

薬剤師もグローバル化の時代なのです。

(2)薬剤師グローバル時代の象徴としての職種

日本において近々には、薬剤師のグローバル化を推進する、ある仕事が浮上しています。
ご存知のように、2020年に東京において夏季五輪が開催されることが決定しています。

それに伴い、開催国である日本の薬剤師が請け負う仕事に「スポーツファーマシスト」というものがあります。

これは、オリンピックに出場する選手たちに対するドーピングを検査する職務です。
東京都がオリンピック開催地に選定された理由の一つに「アンチ・ドーピング」を強く掲げたことがあります。

であるので、ドーピング検査に関しては、特に注力することは国是レベルで注意しなければならないことなのです。

“禁止表国際基準”に明記されている240を超える禁止薬品は、成分として薬品名では明記されていないケースがほとんどであり、
そのため、薬剤に関する深い知識が必要となります。

こういった禁止薬物が体内に入ってからの微妙な薬理学的な反応や効果なども考慮して検査していかなければならないので、
薬剤のプロフェッショナルである、薬剤師たちの深く幅広い薬学知識が不可欠とされるのです。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ